tir na nog(ティルナノグ)。楽園。常若の国。
いわば理想郷。

かつて、ダーナ族の長ダナーンがミレー族との戦いに敗れた後、
辿り着いたとされる地。
ダナーンはそこで、妖精になったと言われています。

楽園とは何でしょう。
永遠の幸せとは、何でしょう。

誰かが生まれるとき、誰かがどこかしらで亡くなっています。
自分が幸せな時、他の人も幸せなのでしょうか。
この世界は、常に背中合わせだと思います。

生きていることの意味、というものを問いかけたらきりがありません。

永遠ではないという運命を、誰もが背負って生まれてきました。
歓びもあれば苦難もあり、時にその波に飲まれそうになることもあります。
それでも、周囲を良く見てみると、自分の生きている世界は、自分にしか分からないもので、
自分にしか感じられない喜怒哀楽があり、必ずしも誰もがそれを共有するものではありません。
たったひとりの自分は、たったひとつの世界を創り出しています。
その世界こそ、生きる意味の答えなのではないかと思います。

今回の作品は、どの歌もいずれかの歌と繋がっています。
今回は、そんな生きる意味をテーマに、9編の歌をお届けします。


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